そこに働く人、思いを寄せる人、一緒に騒ぎたい人、愚痴を聞いてほしい人
そんな流川の"顔"をバトンを渡すように思いでツナイデみました
ちょっと酔ってけバカ野郎
陽気なマスターが生み出す+αに満ちた空間
仏だん通りのビルに一度聞いたら忘れられないインパクト大な店名のお店がある。昭和レトロなポスター、カラオケステージなど、上の世代には懐かしさ、若い人には目新しさを感じさせる店内にカウンターと4人掛けのテーブルが並ぶ。大人数で朝までお酒とフード、カラオケを楽しめる、居酒屋っぽさも兼ね備えたバーだ。
安定した職を離れ、やりたいことを追求
お店ではもちろんのこと、SNSや動画でもノリが良く、明るい店長の“おすぎ”こと杉さんだが、飲食の道に入る前は某自動車メーカーの従業員。期間工として入社後1年で正社員に登用され、約8年製造の現場で働いた。給与や待遇面で安定していた職から離れることを決断したのは、2018年7月に起きた西日本豪雨がきっかけだった。
豪雨災害の影響で休業することになり、その期間は地元である熊野町でボランティアをした杉さん。住居の片付けや土砂の除去といった作業に励む中で、マイナスを元に戻すだけではなく、被災者にとってプラスとなることがしたいと感じ、避難所にいる子どもたちが楽しめるお祭りや、呉のプロレス団体とのチャリティイベントを企画・実施した。その経験から人の生活におけるプラスαを提供することにやりがいを見い出し、退職を決意。当時を振り返り、「出世もしていたし、決断のハードルは相当高かったですね」と話す。まずはプラスαが提供できる拠点となる場所がほしいと考え、決めたのが飲食店だった。数年ほど老舗のダーツバーで店長として働いた後、2022年4月に店をオープンさせた。
一見客でも寛げるアットホームな空気
最初はお酒がメインのバーを考えていたが、借りたスペース内に大きなキッチンがあったことと、出前での売上機会の損失を勿体なく感じ、フードメニューを充実させた。冷奴やえだまめ、辛みそきゅうりといった定番つまみのほか、お茶碗カレーといった深夜の空き腹に嬉しいメニューも揃う。
スタンドマイク、ミラーボールが完備されたカラオケステージはお客さんに大人気で、「ステージに上がるとみんな魔法のように歌います」とのこと。好きで集めているという昭和レトロなアイテム、アットホームな雰囲気、杉さんの明るいパワーがお客さんの心を開かせるのだろう。リクエストされれば杉さんもコミカルな振り付けと共に歌声を聴かせてくれる。
気さくでユーモアあふれる人柄の一方、会社員時代にも目的に向かい確実にステップアップしたように、高い計画性や理論的な考え方を持つ杉さん。将来の目標を定めており、店のオープンはそのための1つのステップという。「100段まで決めていて、今は2段目ぐらい。飲食に限らずサービス業を中心に他の業態もやりたいですね」と次なる目的に向かって計画を進めている。構想を練るときに大切にしている基準は、自分がやって楽しいかどうか、そして、人や地域にいかに貢献できるか。楽しく仕事に取り組み、それが誰かの生活にプラスとなるのが理想だ。
20代の会社員時代、流川は頻繁に通っていた場所。記憶を失うまで飲むこともあり、起きたら神戸にいたことも。そんな杉さんにとって流川は「アミューズメントパーク」。有名なテーマパークと同じように、「流川に行く」というだけでその場所の持つ活気やエンターテイメントが頭に浮かぶ。この場所で人との繋がりを広げ、いつか広島で100万人規模の祭りを開催するのが杉さんの目標だ。
「料理も自分のためにはやらないけど、誰かのためならやれる。やりたがりの精神がないと飲食はできないですね」。おいしいお酒と料理、思いっきり歌えるカラオケ、そして常に前進と楽しむことを大事にする杉さん。生活のプラスαとなる時間を求めて「ちょっと酔って」みてはいかがだろう。
ちょっと酔ってけバカ野郎
〒730-0034 広島市中区新天地1-26三村ビル2F
営業時間/19:00~翌5:00(料理・ドリンクL.O.翌4:00) 定休日/不定休
TEL/090-1356-8639
村田 慎志さん
流川エリアの構築を目指しています。
当事務局は地域活動支援事業補助金で
運営されています。
流川エリア活性化協議会
会長 山坂哲郎
〒730-0033 広島市中区堀川町1-14
TEL 082-241-4128