そこに働く人、思いを寄せる人、一緒に騒ぎたい人、愚痴を聞いてほしい人
そんな流川の"顔"をバトンを渡すように思いでツナイデみました
鉄板 村田屋
食事も会話も充実いつでも万能な鉄板焼居酒屋
ネオン看板がきらめく流川通りに面した田中ビルの1階。夕方から明け方近くまで人々の話し声と軽やかに響く鉄板の音で賑やかな店がある。オーナーの村田慎志さんが2019年にオープンした「鉄板 村田屋」だ。アットホームな雰囲気の中、鉄板を囲うように配置されたカウンター席と4人掛けのテーブル席で、旬の食材を使った出来立て熱々の鉄板料理が味わえる。
サラリーマン時代を経て飲食業へ
村田屋の営業時間は夕方から翌5時まで。アルバイトがいるときもあるが、基本は店主の村田さんが一人で切り盛りをしている。長時間鉄板の前で調理を行う体力は学生時代に培われた。大学では野球部に所属し、部活の後は夜中まで流川のおでん屋でアルバイト。「そこのおでん屋でのバイトが楽しくて」と、飲食業に興味を抱いた村田さんだが、大学卒業後は一般企業に就職した。
「大学まで行かせてもらったので3年は会社に勤めて、その後は飲食業で働こうと決めていました」。予定通り3年後には飲食の道へ進み、飲み仲間だったという鉄板焼き屋の大将のもとで修行。それまで接客経験はあったものの調理を担当することがなかったため、最初は米のとぎ方すら知らなかったという。料理の腕を磨きながら資金を貯め、学生時代から馴染みのある流川で自分の店を開いた。
どの時間帯でも利用しやすい豊富なメニュー
営業時間を翌5時までとしたのは、村田さん自身の経験によるもの。「昔は夜中まで仕事をしてから飲みに出かけていたので、3時閉店だとあまり余裕がなくて。5時までだと安心して飲めるのと、単純にお客さんが来るかどうか不安だったから営業時間を長くしようと思いました(笑)」。その結果、7時~9時頃に仕事終わりのビジネスマン、未明の2時~4時には飲食業の人、シメを食べに来る若者など、色々な時間帯で幅広い世代のお客さんが訪れる。
ライトなおつまみからガッツリお腹を満たす料理など、痒い所に手が届く豊富なメニューも人気の理由。牛のコウネ、ホルモン炒め、せせり焼きといった鉄板料理はもちろんのこと、カルパッチョや刺身、煮込み、蒸し焼き等々、肉、魚、野菜をバランスよくメニューに入れることを意識し、様々な調理法で提供している。特にお客さんが楽しみにしているのが黒板に書かれた日替わりメニュー。旬や仕入れた食材によって毎日変更される。さらに、お客さんの要望をもとに加えたメニューもある。炒めた玉ねぎが特徴の「お好み焼き」もリクエストに応えた1品だ。
お店を運営する上で大事にしていることはお客さんとの距離感。鉄板焼店にしたのも、鉄板を挟んで直接コミュニケーションがとりやすいから。「お客さんの顔はよく覚えるほう。1日のうちに他のお店をハシゴしながら3回、4回と来てくれるお客さんもいますね。流川には沢山のお店があるにも関わらず、またこの店に来てくれたり、知り合いに紹介してくれたりというのは、本当に嬉しいです」。
コンパクトでお客さん同士の距離も近いお店だからこそ、全員が楽しく過ごせる空間にすることを心がけている。「せっかくお金を払って来てくれるのだから、皆が良い思い出にして帰ってもらいたい」と話す村田さん。お客さんと言えども、他のお客さんに迷惑をかけそうなときは態度を注意し、帰ってもらうこともある。皆に気持ちよく過ごしてもらうため、細やかな気配り、目配りを欠かさない。
人が集まり、出会いがある「広島の中心」
村田さんにとっての流川は「広島の中心」。他の地域でお店を出すことを考えたこともあったそうだが、最終的に流川へ出店することに決めた。学生時代からの知り合いが多かったことも流川を選んだ理由の1つ。「場所探しでも内装工事でも知り合いに助けてもらいました。飲みに訪れたお店で客同士として知り合って、もう10年ぐらい交流が続いている人が沢山います」。そういったお店での「一期一会」の経験をしたからこそ、自身のお店も良い出会いの場にしたいと考えている。
村田さんに今後やりたいことを聞くと、「少しお店を広くして団体も利用してもらいやすくしたい」とのこと。ただ、たとえお店が広くなっても鉄板の前に立ち続けるつもりだそうだ。店内に飾られた宮島杓文字にある「思いやり」の文字の通り、直接心を込めて接客できることがお店をする醍醐味だと語る。1軒目、2軒目、シメ…、どんな時間帯にも合う多彩なメニュー、活気のある鉄板の音、そしていつでも明るく迎えてくれる店主の笑顔。村田さんの思いが詰まった「鉄板焼き 村田屋」に訪れてはいかがだろう。
鉄板 村田屋
〒730-0028 広島市中区流川町1-20田中ビル1F
営業時間/18:00~翌5:00(L.O.翌4:30) 定休日/日曜
TEL/082-542-5266
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